油脂含有食品加工排水のメタン発酵促進技術の研究

摘要

メタン発酵の前処理として油脂分解酵素（リパーゼ）処理を組み入れたメタン発酵プロセスについて，豆腐製造排水と揚げ廃油を実験原料として回分系と連続系で検討した。 回分実験では，油脂含有排水をリパーゼ処理することによって中性脂肪の96％が分解され，メタンガス転換率80％が得られた。 メタン発酵連続実験では，油脂含有排水をリパーゼで前処理して高温メタン発酵した系で中性脂肪分解率99％，COD{sub}(Cr)除去率72％，メタンガス転換率61％ （COD{sub}(Cr)基準）が得られた。油脂含有排水のメタン発酵には，リパーゼ前処理と高温メタン発酵の組み合わせが有効であることが分かった。