輸出手続の簡素化とコンテナ物流の改革（その3：改革の実行）～わが国輸出の国際競争力強化に向けて

摘要

アメリカでは中国など遠距離地域からの調達が見直され始めている。工場の生産価格が安くても調達に要する時間と輸送コストを考えると必ずしもペイしないという。メキシコや自国での生産を検討すべきという。時間をかけてFCL（コンテナ単位）のバイヤーズ混載を行うよりLCL（コンテナに満たない小口貨物）で直ちに出荷する方がリードタイムの短縮による効果が期待できるという。輸入貨物は関税収入の確保より貨物の早期引取り、輸出貨物は手続の簡素化と国内インフラの整備、すなわち、生産から船積みまでの貨物の流れの最短化によるリードタイムの短縮が大きな効果をもたらす。新興国における生産コストが徐々に上昇を続けているなかでわが国のロジスティクスコストをプロセスの改革により大幅に低減させ所用時間の短縮をはかることにより望まれる効果が期待できる。本稿では前回提示した各分野のコスト分析を取りまとめ新たな方向性について討議を進めることとしたい。