低土被りの沖積砂礫層掘進：低土被りシールドの掘進管理と地中支障物対策

摘要

神戸市兵庫区和田岬地区は、大規模な造船所や工場群を抱え、近年、地下鉄も開通し利便性を高めている。 しかし、神戸市内のもっとも海岸線に近い地域で地盤が低く、以前は、大潮と台風が重なった時には、床上まで浸水することが度々あった。 このため、昭和35年に雨水排水のための管渠とポンプ場が整備されたが、40年以上の歳月と阪神大震災により設備の老朽化や損傷が進み、能力の低下も懸念され一刻も早い新しい設備の構築が望まれていた。 和田岬連絡雨水幹線は、このために新設される排水ポンプ場へ雨水を流すための管渠として計画された。 しかし、種々の制約条件により低土被りでしかも一部が埋立の砂礫層という非常に厳しい施工条件の中、シールド掘進を行うこととなった。