食品産業におけるマネジメントシステムの現状と課題

摘要

一部の食品企業における事故や偽装等の事件は引き続き発生しており，“食品企業”一括りとして消費者の信頼は低下の一途をたどっている。また，品質保証等の目的で食品企業が導入しているHACCPシステムや各種マネジメントシステムについても消費者の信頼につながっているとは言い難い。このように消費者の食品企業への信頼が低下している中で，食品企業で品質等マネジメントシステムの維持·改善を担当していた経験，及び日本食品安全マネジメントシステム評価登録機関審査員評価登録室(Japan FSMS Assessment and Registration Body（以下，JFARB））の事務局の経験から，食品産業における各種マネジメントシステム運用状況を整理し，今後の課題について考えてみた。