2つの異なる流下液膜式蒸発管の画像処理を用いた液膜厚測定に関する実験的研究

摘要

流下液膜式蒸発器は，各種機器に使用されている.その代表例として，化学プロセス，石油精製，海洋温度差発電(OTEC)およびLiBr/水系吸収式冷凍機等の蒸発器がある.近年の省エネルギー化要求の高まりから，本蒸発器の高性能化が進hでいる.一方で，本熱交換器に使用する伝熱管は，一般的に水平配置が主流であり，水平管での高性能化および軽量化による材料負荷低減の要求も高まっている.しかしながら，水平管での流下液膜蒸発熱伝達に関する高性能化研究が多数報告されているが，管表面での液膜厚さを時系列的に計測し，液膜形成状態を明らかにしたものは依然少ない.また，より高性能化を図るためには，液膜厚さの把握が必須になる.本研究グループでは，流下液膜式蒸発器用伝熱管として提案している，四角錐台突起形状[1]による2種類の伝熱管に対し，水冷媒での蒸発時の液膜流動を，高速度ビデオで撮影し，液膜流動を画像処理にて時系列的に考察してきた[2].本報は，突起間溝部の液膜厚さを，画像処理で計測を試みた.その結果を報告する.