熱回路網法による水産品凍結プロセスの高速予測技術の検討－第2報：複数の水産品を対象にした予測精度の改善

摘要

商品の競争力の獲得に向け，魅力的品質を獲得するために，設計プロセスの効率化が強く求められている。近年では，設計の上流段階で物事の本質を的確に捉え，機能を見通しのよい形式でシンプルに表現することで効率的な概念設計を実現する “1DCAE” や [1]，モデルベースデザインと呼ばれる，蓄積されたデータベースから机上にてシステム全体の設計を実現する取り組み [2] が報告されており，設計プロセスそのものの改善に向けた設計手法そのものに対する強い需要がある。1DCAE やモデルベースデザインの概念を実現するには，実現象をより単純な形で捉えるイメージ技術が重要になる．設計期間そのものの短縮という観点では，最適設計値を獲得するためのパラメタサーベイを高速に実現できる予測手法の開発が必要である．熱機器の設計は簡易設計の技術について先行しており，従来から熱回路網法 [3] [4] や流体抵抗網法，それらをカップリングした熱流体抵抗網法 [5] [6] などがある．熱流体現象を電気回路の形に置き換えることで，実現象の簡易表現と，パラメタサーベイのために高速解析を実現している．そこで，これらの簡易熱流体シミュレーション技術の汎用性拡大に向けたデータベースの取得と，熱流体現象の回路モデル化のノウハウの獲得ができれば，熱設計のフロントローディングについては容易に実現できる。かつ，近年普及しているタブレットなどのウェアラブルデバイスとの相性もよく，現場レベルでの臨機応変な設計変更に向けた予測ツールとしても期待が持てる．