〈特集(2)：油空圧 環境問題への取り組み(2)〉：建設機械における環境対策への配慮－法規制と建設機械の環境対応の動向

摘要

21世紀の循環型社会の構築に向け、「循環型社会形成推進基本法」が平成12年6月2日に公布された。 またほぼ同時期に、廃棄物やリサイクル等の環境関連の法律が相次いで公布または改正されている。 これらは物質循環の観点より、廃棄物·リサイクル問題を捉え、21世紀の循環型社会を形成するための法律の基盤を整備したものである。基本法では廃棄物処理の優先順位を①発生抑制②再使用③再生利用④熱回収⑤適正処分と、初めて法定化し、また国、地方公共団体、事業者及び国民が全体で取組むための責務を明確にしている。 公布された法律の1つである「資源有効利用促進法」では自動車、パソコン、家電品など10業種69品目に対tて、発生抑制·再使用·再生使用等を求め、指定製品は設計段階から環境配慮をしなければならない。 また、「グリーン購入法」では国等の各機関による環境への負荷の少ない環境物品等の調達を推進させ、情報の提供を促進するための事項を定めている。 重点的に調達すべき特定調達物品として101品目を指定している。 以上のような法律の動向の中で、建設機械も環境配慮設計を強化することが求められる時代となってきている。 本稿では建設機械の環境配慮に関し、最近の動向を述べることとする。