最新鋭形鋼圧延設備の開発～世界最大クイックシフトミルとスラブ起立全自動運転

摘要

最近の形鋼業界を取り巻く環境は、新興国、中東地域での高層ビル等の建設案件が進行しており、より大型、極厚サイズのハイグレードH形鋼の需要が増加してきている。その一方で、汎用品市場では、国内需要の低迷、中国における供給能力拡大により競争が激化している。こうした中、新日本製鐵㈱堺製鐵所殿では、圧延用素材に幅広スラブを適用し、より大型、極厚のH形鋼の製造範囲拡大、既存H形鋼の生産効率向上及びスラブ幅の集約を目的に、加熱炉と粗圧延機との間にSミル（ハイリフト式クイックシフトミル）の追加設置を決定、その設備計画から供給、据付を当社が担当した。Sミルは、圧延時の孔型シフト時にミル本体がクイックシフト（高速での移動）するミルとしては世界最大であり、高速シフト時に高精度で位置決めを達成する機構を工夫した。更に、オペレータの増員なしにミルを追加するため、スラブの起立動作の完全自動制御機能も織り込hだ、最新鋭の形鋼圧延設備である。