良い仕事 優れた事例から技術者がなすべき仕事を考える 第10回 日本の鉄道を蘇らせる,ライトレール 阿部等社長

摘要

鉄道コンサルタント，ライトレールの阿部等社長（写真1）の技術者としての仕事を考える。鉄道コンサルタントを営む会社が多くあるなか，鉄道のありようを俯瞰的に考察し，より良い活かし方を社会へ提案し続けるシンクタンクはライトレールのみと考えたからである。阿部氏を知ったのは同社が主催する交通ビジネス塾で2009年8月に開催された「定時運転から考える社会と鉄道の関係」に参加したときである。その講師の三戸祐子氏は，「定刻発車」にて日本の鉄道の定時性の文化の基底を探った方である。ややもすると技術至上主義になりかねない分野をこのように広い視点で取り上げていることを知り，同じ志を持つ方がいるのだとの強い印象を持った。