自動車づくりを支える部品技術 第3回 衝突安全を図る：事例3 効率よく衝撃エネルギーを吸収するクラッシュボックス

摘要

クラッシュボックスは，自動車が衝突した時のエネルギーを吸収する部品であり，自動車のサイドメンバー（フレーム）の前端·後端に取り付けられる（図1）。 具体的には，バンパーレインフォースとフレームの間にクラッシュボックスは組み込まれている。 クラッシュボックスには，高速衝突時のエネルギー吸収性能ばかりでなく，低速衝突（15km/h以下）時も衝突エネルギーを吸収してサイドメンバー以後のボディへの損傷·変形を防ぎ，補修性（修理工数の低減）を向上させる機能が求められている。 この低速衝突時のエネルギー吸収性能を備えたクラッシュボックスは，欧州市場では採用が拡大しており，日本市場でもその採用が始まった。豊田鉄工と住友金属工業は，従来に比べて衝突エネルギー吸収性能を大幅に向上させた「高効率クラッシュボックス」を開発した（図2）。