事例から学ぶ 部品材料選定·転換のヒント 事例2：デジタル複写機の加圧ローラの材質をシリコーンゴムから発泡シリコーンに転換－軽量化の追求

摘要

複写機の消費エネルギ効率を高めるため，定着ローラと加圧こローラの材料を転換することで定着ロールの薄肉化が可能となり，待機時の消費電力を抑え，待機時からのウォームアップ時間の大幅短縮につなげた．2001年2月，リコーは消費エネルギ効率を大幅に高めたデジタル複写機「imagio Neo350/450シリーズ」を発売した．国際エネルギー機関（IEA）が定めた複写機のスペックをクリアし，エネルギ消費効率も世界トップクラスを実現した．それを支えた技術が定着ローラの薄肉化とトナーの低温定着化だった．そして定着ローラの薄肉化のために，定着ローラの材料をJIS5000系のアルミ合金からJIS3000系のアルミ合金に，また加圧こローラの材料をシリコーンゴムから発泡シリコーンゴムに転換した．