独自の工夫でビジネスを伸ばす 中小企業のAI活用術－老舗食堂が平均的中率90%以上の「来客予測AI」を開発

摘要

伊勢神宮（内宮）の参道沿いに老舗食堂がある。1912年創業の「ゑびや大食堂」だ。この老舗食堂と併設のみやげ品小売店「ゑびや商店」を経営するのが有限会社ゑびや。同社の小田島春樹社長は2012年、100年以上続く老舗の経営に一大改革をもたらした。それまでのゑびや大食堂の店内には、真っ黒な業務用テーブルが並び、レジもなく、店頭には日焼けしたロウ細工の食品サンプルがメニューとしてディスプレイされていた。いわば典型的な田舎の食堂という様相だった。これでは参拝客に食事をしたいと思わせる魅力にはほど遠い。そこでまず、メニュー内容と店頭のディスプレイを刷新した。メニューは、来店客への聞き取りやアンケートから食べたいのも調査し、伊勢えびや松阪牛など三重の特産物をふhだhに使った商品内容に一新した。また、店頭のディスプレイはロウ細工から鮮烈な写真パネルのディスプレイに切り替えた。店頭を行き交う参拝客に“食べてみたい”と思わせる店づくりへの改革だった。