高精度金型の創成－軸対称非球面の超精密研削とその周辺技術

摘要

近年，非球面レンズは，その需要の高まりに伴い，小型化，軽量化，コスト低減が進められてきた．そのため，非球面レンズ用金型やガラス非球面レンズの研削工程に対して，加工技術，機械技術の面から多数研究開発され，顕著な量産性の向上がなされている．現在，多くの軸対称レンズまたは金型においては，図1に示すようなクロス研削法を用いて加工される．また，デジタルカメラに搭載されるような小径レンズまたは金型に対しては斜軸研削法により高精度かつ高能率加工が可能になっている．さらに近年においては，後述するB軸を用いたパラレル研削法の通用も検討されBru-ray Disc用レンズに代表される高傾斜角を有した金型の高精度加工も可能となってきている．そこで本稿では，これらの加工技術に伴い，同じく開発が進められてきた超精密非球面加工機やその周辺技術について説明し，実用的に達成しうる加工精度の現状について紹介する．