使用済燃料貯蔵施設構造規格の概要

摘要

原子力発電所の運転に使われたウラン燃料には，プルトニウムやウランが含まれる．エネルギー資源に乏しいわが国にとって，これらはリサイクル可能で貴重な準国産のエネルギー資源である．このため，わが国では使用済燃料をリサイクル原子燃料とし，再処理·再利用する政策を採っている．しかしながら，現在，国内の民間再処理施設を建設中であるが，その再処理能力は国内の原子炉施設から発生する使用済燃料の量を下回ることから，使用済燃料は，再処理までの間，中間的に貯蔵する必要がある．現在，大部分の使用済燃料は原子力発電所内の水プール内で貯蔵されているが，プールの容量には限りがある．このため，2010年には，原子力発電所の敷地外で中間貯蔵施設の操業が必要とされている．使用済燃料貯蔵の需要は将来にわたって大きくなる傾向にある．