ちょいと学問でも 機械加工技術の品質工学 第25回：積層造形の複合加工機の評価

摘要

射出成形における加工の最適化について、長い間研究を行ってきたが、最終的には成形機による加工条件をいくら研究しても、射出成形加工の精度向上は望めないというのが筆者の結論である。一般に射出成形においては「金型8割」と言われているように、金型のゲートとか冷却の影響がきわめて大きい。金型の冷却にはいわゆる水管を金型に通して、成形溶融樹脂の充填時に冷却を行う。しかし、実際には成形品のキャビティの周辺に水管を回さねばならない。しかしこのような水管の加工は従来の加工方法では不可能である。これを可能にしたのが、金属粉末をレーザ加工で溶かして積層する加工機である。松浦機械製作所ではこのような新しい加工機を開発したが、これについてのパラメータ設計による最適加工条件の研究が進められた。