最新測定技術－微細·ナノを測る：接触式および光学式の輪郭形状測定

摘要

近年、超精密領域における加工方法の進展にはいちじるしいものがあり、要求される加工精度も格段に飛躍している。 たとえば、光ディスクのピックアップレンズの形状精度はコンパクトディスクのときは1μmであったが、現在では高密度記録のために青色レーザーのような短波長光源が使用されるようになり、0.1μm以下の形状精度が要求されている。 このような精密加工部品は、その表面形状が機能特性を左右することが多く、輪郭形状の高精度測定が不可欠となる。 現在輪郭形状測定機として最も信頼性が高いのが、マイクロメートルオーダの微小な触針と触針の上下運動を変位に変換する電気マイクロメータから構成される触針式表面粗さ測定機である。 その感度は50万倍から500万倍を有する。 ただし、測定物の表面が軟らかかったり、もろいものでは触針の触圧によって表面を変形させたり傷を与えてしまうことがある。特に現在の精密加工対象面のほとhどがガラス材やアルミニウムおよび銅のような軟質金属材なので、傷をつけることなく測定することは不可能となる。 したがって輪郭形状測定において当然非接触測定の要求も大きい。 非接触式に期待される特性は、①測定物に傷をつけない、②測定の高速化、③高精度化、④小型化、⑤触針式表面粗さ測定機との対応などがあるが、現時点でこれらの要求をすべて満足する非接触の輪郭形状測定法はほとhどないので、非接触測定機を使用する場合にはどの機能が必要なのかを十分検討する必要がある。 本稿では、主に市販されている接触式および光学式の輪郭形状測定機の特徴を述べる。