OLSRにおけるTCメッセージ送信ノード数に関する一考察

摘要

OLSR（Optimized Link State Routing）では経路制御トラフィックを抑制するために，各ノードは隣接ノードの一部をMultipoint Relay（MPR）として選択し，MPRに選ばれたノードのみが経路制御（Topology Control，TC）メッセージを生成し中継する．しかし，既存のOLSRの実装では，各ノードは他のノードの選択とは独立にMPR を選択するため，必ずしもMPRの数は少ないとはいえない．そこで本稿ではMPR集合の選択方法に着目し，従来の方法では冗長なMPRを選択していることを示し，ノード間で協調しMPRを選択した場合との比較をする．具体的には，MPRとして選択されるノード数やTCパケット数を比較し評価する．その結果，従来の方法では約20％～45％程度の冗長なTCパケットが存在することを示し，従来のMPR選択方法に改善の余地があることを示す．