clnfv：コンテナを用いた軽量なNFVアーキテクチャ

摘要

仮想化技術を活用しファイアーウォールやロードバランサなどのネットワークサービスを実現するNetwork Function Virtualization (NFV)の研究開発が盛hに行われており，ネットワークへの投資コストと運用コストの削減が期待されている.しかしながら，既存のNFV基盤は大規模で且つ構造も複雑になっており運用コストや導入コストが高いのが現状である.本稿では，簡素で軽量なNFV基盤を目指し，Linuxのコンテナ技術を用いたNFVアーキテクチャclnfvを提案し，Dockerを用いた設計と実装を示す.clnfvの特徴は，ネットワークファンクション（NF)の管理とNF間の連接を一般的なソフトウェアの組み合わせで実現しており，導入と運用が容易な点である.評価では，clnfvの性能を明らかにするため，転送性能をベンチマークにより評価した.また，約100名が参加した学術系イベントにおいてclnfvを用いたネットワークサービスを参加者に提供し，86時間の連続稼動達成と，最大120Mbpsのトラフィックを収容した.