光トランスポート網資源プールにおける可用性·保守性評価法

摘要

数1000局を跨ぐ全国規模の広域光トランスポート網においてエンドエンドで高い可用性を実現するためには，各機能の適切な冗長度設計や切替機能の具備に加え，迅速な故障回復による故障影響の拡大抑止が求められる．冗長度は設備コストや消費電力に，故障回復時間等の保守条件は保守コストに大きく影響するため，サービスや網運用上の影響を適切に考慮した可用性指標に基き，冗長度と保守条件のバランスを最適化する事が重要である．我々はこれまで本バランスの最適化を可能とする仕組みとして，光トランスポート網における資源プール運用制御機構を提案してきた．本論は広域光トランスポート網における可用性指標の考え方，プール化された広域網における冗長度や保守条件の設計法を提案する．さらに保守条件という時間軸指標と必要な保守要員数というコスト軸指標の関係を導出する方法を提案し，網エンドエンドの冗長度と保守条件のバランスのあり方を議論する．