連立方程式法に適用される補助フィルタの係数収束判定法に関する検討

摘要

能動騒音制御に適用される連立方程式法では，騒音制御フィルタの入力から誤差マイクロホンの出力に至る総合系が補助フィルタで推定される.この総合系のパワー利得は騒音低減効果の向上とともに減少する.この向上は誤差マイクロホンで採取される騒音が減少することに等しい.補助フィルタはさらに，この低減きれた騒音を望みの応答として推定することから，その騒音の減少は対外乱比が低下することに等しい.これは，騒音低減効果の向上とともに推定誤差が増加することを意味する.この推定誤差の増加は騒音制御フィルタの係数算定精度を低下させ，騒音低減効果を不安定化する.本検討では，騒音低減効果が向上しても所定の誤差で総合系を推定できる補助フィルタの係数更新法を提案し，その有効性をシミュレーションで検証する.