無意味定常雑音下たおける単音節·単語音声聴取時の心理的印象と聴取成績

摘要

本研究は，音声聴取時に侵入する外来雑音のうるささの心理的印象，音声の聴き取りやすさの心理的印象および音声の聴取成績の三つの側面を共通に把握するための最適な指標の選定問題について考察したものである．具体的には，音声として単音節および2音節·3音節単語音声を採り上げ，音声と雑音の振幅·周波数特性の相対的関係を加味した8種類の指標を導入して，これらの指標と上記の3つの側面との対応関係を音声聴取心理実験による実測データに基づいて詳細に検討している．その結果，最も有用な指標として荷重平均スペクトル距離(WSPD)が選定された．さらにこの指標を用いて，雑音のうるささや音声の聴き取りやすさの心理的印象および音声聴取成績の予測問題について考察した結果，予測値と実測値との間に良い一致性がみられた．