聴覚フィードバック時の気導音と骨導音を考慮した音声合成モデルの検討

摘要

我々は，聴覚フィードバックにより気導音と骨導音からなる自己聴取音を聴いている．しかし，自己聴取音を物理的に測定することはできない．本研究では，聴覚フィードバック時の気導音と自己聴取音の間の伝達特性を推定することを目的に，気導音と骨導音を考慮した音声合成モデルを提案する．提案した音声合成モデルでは，時間遅れ，気導音と骨導音のパワー比，残響時間をパラメータとした．主観評価の結果より，提案した音声合成モデルを用いて，気導音から自己聴取音を再現できることを示した．また，気導音と自己聴取音から伝達特性を推定できる可能性を示した．