学習者の意識を反映した作業視野空間の構築

摘要

学習支援では,学習者はシステムの提供するインタフェースを通して仮想学習空間内のウインドウを換作することにより知的活動を行う。従来のインタフェースでは,ウインドウの位置や大きさは学習者が必要に応じて設定しなければならない。 しかし,タスク切替えの度に生じるインタフェースに対する学習者の度重なる操作は,学習以外の負担を増大させ,効果的な知的活動を妨げる。本稿では,個々のタスクに対するウインドウの構成と学習者のタスクに対する意識を反映し,動的にウインドウを変化させることで学習者の学習効果を高める3次元仮想空間を提案し,その実現例を示す。 我々の3次元仮想空間では,学習者は空間内を自由に歩き回ることができ,自分の近くの領域にあるウインドウのみを操作することができる。 また,個々のウインドウはその関連性に応じて配置され,学習者の意識の変化が検出されると,ウインドウの配置は動的に変化する。我々の提案するシステムは,ウインドウ間の関連や学習者のウインドウに対する意識を表現する論理層と,論理モデルを基に3次元仮想空間を実現するインタフェース層から構成される。 本稿では,提案するシステムの機構の概要と,3次元のウインドウ配置を実現するインタフェース層について記述する。