人類の歴史からみた“食”と宗教のかかわり：第7回 花は生命の法則－野菜の花から心の花まで

摘要

野菜，果物や草花は花を咲かせてはじめて実ができる．種子から花ができ，花が散り再び種子を含hだ果実へ．そしてこの種子から花を咲かせるというのが草花，野菜，果物などの基本サイクルである．仏教では桜梅桃李といい，桜，梅，桃，李はそれぞれ独自の花を咲かせる．すなわち，その人らしいその人の花を咲かせていくことが最重要であることを教えている．野菜や果物が花を咲かせるのは果実を実らせて人を養うためであり，野菜や果物はそれぞれの使命を見事に果たしている．桜の花は，苦難を乗り超えて花を咲かせる生命の方程式を教えてくれている．吉川英二は黒田如水を救った藤の花を名作に記した．地球環境を守るためには心に豊かさがなければならない．心に花を咲かせられない人には地球環境を守れないと考える．私たちも花の如く，「いのちは循環する」という言葉の意味を深く自覚し，自らの宿命を使命に換えて人生を力一杯生きていきたいものである．