原価企画活動の評価について（2）～広義の原価企画活動を対象として～

摘要

原価企画活動は開発設計段階で新製品の原価管理として展開するもの（これを狭義の原価企画と呼ぶ）と、新製品の企画段階から製造·販売·廃棄までのライフサイクルにわたる利益と原価の企画管理として展開するもの（これを広義の原価企画と呼ぶ）に大別される。 前者にはいくつかのタイプがあり、原価企画の活動領域は必ずしも確定的ではない。 そこで本稿では、これを開発設計、製造準備、製造初期流動期の各活動を対象に、開発設計の初期段階で新製品の目標原価を設定しその達成を図る活動を測定し評価するものしてとらえる。後者は前者を包含したものであるが、その活動の範囲、内容などからみて極めて多様なタイプのものが展開されている。 前者と異なるところは利益の企画管理をどのようにとらえ、具体化していくかという点にある。 本稿ではわが国の先進企業の現状を踏まえつつ、当面実現すべき広義の原価企画活動の評価について私見を述べることにする。