吾妻五葉松「大巌性」

摘要

大巌性（だいてhしょう）は五葉松の選別種の名前である。名称は発見された福島県吾妻山系の山の名前から付けられた。吾妻山とは孤峰でなく、深い山並みの連峰である。烏帽子山、蓬莱山、西吾妻山など標高1927～1981mの険しい峰々が続く。そのなかで西吾妻山に西大巌、中大巌、東大巌という峰があり、東大厳に連なる前大巌周辺の自生五葉松が原木とされている。標高1800m付近。採取されたのは50～60年ほど以前のことである。当時は五葉松のさまざまな八房品種が百種以上、いっせいに登場してきた時期にあたる。今も有名種である「瑞祥」も、自生地は異なるが同様の新種を見いだすブームの過程で世に出たのである。