着除霜性に優れたプレコートフィン材の開発

摘要

近年，地球温暖化などの環境問題を背景にCO2排出盈削減が求められ，なかでも電気機器の消費電力削減が厳しく求められている。例えば一般家庭では，ルームエアコンはほとhどが冷暖房機能を有し通年で使用され，特に冬期で外気温が低い（2°C以下）場合，COP（エネルギー消費効率）が夏期など他の期間のCOPに比較して60％前後と最も効率が低下し，消費電力が大きい。これは，暖房運転時，蒸発器として作動する室外機では，外気よりさらに低い氷点下の蒸発温度で運転するため，空気中の水分が昇華した霜がフィン表面に付着，堆積してフィン間を閉塞させ，熱交換性能を低下させるためである（図＝）。また，このため，定期的にホットガスを流して霜を融解する除霜運転が必要となる（図2）。除霜運転時は暖房ができないため，快適性が低下する問題も併せ持っている。従って，単位時間当たりの除霜運転回数を低減し，また除霜時間を短くすることが求められる。すなわち，熱交換性能が低下せず，フィン間が霜により閉塞するまでの時間（着霜時間）が長く，また，除霜しやすい性質を有するフイン材の適用が暖房運転時のCOP向上に効果が大きいと考えられる。