LIBSソーティングによるテルミリサイクルの革新技術

摘要

聞きなれない言葉かと思われるが,LIBSソーティング（Laser Induced Breakdown Spectroscopy Sorting）とはレーザを利用した固体選別法で,アルミスクラップの精緻な選別を可能にする究極のリサイクル技術と言える。以下にLIBSソーティングによるアルミリサイクルの概要を紹介する。使用済み製品からのアルミリサイクルの現状は,アルミ缶リサイクルのイメージから「リサイクルの優等生」との評価もあるが,これは,消費者の高い環境意識と自治体による税金を使った回収という特殊事情に負うところが大きく,アルミ全体としては,回収したスクラップを溶解して含有成分を確定し,再生塊（或いは溶湯）として活用するカスケードリサイクルが主流である（アルミ缶スクラップは形状から一目瞭然に缶材であることが判るため,「Canto Can」の水平リサイクルが主流）。カスケードリサイクルでは,スクラップは不純物元素の許容範囲が広い鋳物·ダイカストに使用されており,今後もアルミリサイクルの有力な方策と思われる。しかしながら,この方法ではリサイクル材を不純物元素の許容範囲が狭い展伸材に使用するのは難しく,「展仲村to展伸材」の水平リサイクルを実現し,理想的なアルミニウムの資源循環に近づけるためには,アルミスクラップの精緻な選別を実現することが不可欠である。