塗料のレオロジーの進歩と応用

摘要

顔料分散系である塗料を設計·製造して,被塗物に塗装し,乾燥させ,塗膜としての機能を引き出す塗料·塗装の工程にはレオロジー的問題が深くかかわっでいる。 顔料の分散安定性，塗布適性，乾燥特性，塗贋物性等の評価に及ぼすレオロジーの役割は大きい。 そもそもレオロジーは物質の力学的性質と構造との対応関係,物質の挙動に関する量的評価，異常な力学的性質に関する力学等を対象とした学問で,工業とのつながりは密接である。 アメリカレオロジー学会の創始者であり,レオロジーの名付け親でもあるBinghamが研究の対象に選hだのは塗料に類似した印刷インキであり,チョコレートであると言われている。 またイギリスではヲ　 レオロジーの発展に大きな貢献をしたScott Blairは戦争に馬区り出されたチーズ職人の熟練した技術をカバーするため,チーズの製造にレオロジーの適用を積極的に推進した。 このようにラレオロジーは単に学理的というより，むしろ生産に結び付いて実利的な側面を有している。