二重るつぼ法によるスラグー溶鋼共存下での侵食試験

摘要

スラグや溶鋼による溶損は耐火物の寿命を左右するの 一つであり，耐火物の耐食性向上は普遍的な課題である。 炭素含有火物ではスラグー溶鋼境界におぃて局部的な溶 拟が生じて好命を律速する場合があり，局部溶損の低減に つぃて多くの研究が行われてぃる。また局部溶损の発 生機構につぃても検討されており，スラグ中への酸化物の 溶解と溶鋼中への炭素の溶解とが交互に生じて進行すると 報告されてぃる。耐火物とスラグとの反応につぃては, 熱力学や速度論,組織観察などによる検討結果が報告され ている。これら溶損に関する多くの報告がある一方 で，スラグと溶鋼を共存させた場合の局部溶损の形態につ ぃて詳細に組織観察を行った報告例はみられなぃ。理由と して，溶鋼より低融点のスラグが先に溶融して耐火物と接 触するため実際とはVIなる反応が生じてしまうことが举げ られる。またスラグと溶鋼を共存させて局部溶损を再現さ せる試験としては高周波誘導炉が一般的に用ぃられるが, この方法では炭素の酸化を防するための雰囲気整が容 易でなぃことに加えて，溶鋼温度の制御も難しく所定の温 度に正確に保持することが困難であるとぃう課題がある。 そのために溶損初期の反応界面観察や，反応時間と溶損量 との関係を正確に把握することができてぃなぃ，また試験 終了時に溶鋼と溶融スラグを排出するためスラグや鋼が共 存する状態での界面観察が行えなぃなど，詳細な解析を難 しくしてぃる。