MgO-Cれhがの高温下での反応

摘要

アルカリ土類金属酸化物であるMgOは溶鋼および高塩 基度スラグに対する耐食性に優れるが，高熱膨張率のため 耐熱衝撃性に乏しい。一方，黒鉛は耐溶鋼性には乏しいも ののスラグに濡れ難いことからスラグ耐食性に優れるうえ ,熱膨張係数が小さいため耐熱衝撃性にも優れる。互いの 特徴を生かし欠点を補完した複合材料であるMgO-Cれh がは，転炉や取鍋，RH等の二次精錬用設備などの内張り 材として広く用いられている。MgO-Cれhがの損耗主要 因としては，スラグによる溶損とCの酸化反応が想定され る。Cの酸化反応としては,雰囲気ガス中のO_2やCO_2ガスに よる酸化（気相酸化)，酸化鉄などの液相による酸化（液 相酸化)，MgOとCの酸化還元反応（以下MgO-C反応と略 記する）が挙げられる。このうちMgO-C反応に関しては， 1970年代以降から近年まで様々な報告がされている。最近 では，反応速度論的解釈や物理的特性に与える影響につい ても報告されており，理解が深められてきた。