日本におけるジオパークの推進に関する提言

摘要

地球科学はどhな学問で何を目指すかについて，最近10年ほどの間に世界的に大きく考え方が変わった．「地下水」「地球温暖化」「自然災害の軽減」および「地下資源」といった従来より重要とされているテーマに加えて，地球科学関係の国際学会の関心の対象として，「ジオパーク」「地質遺産とその保全」あるいは「ジオツーリズム」といったテーマが新たに加わった．一見古くさい，古生物学，層序学，野外地質学，地形学および鉱物学などの伝統的な研究も，改革され見直されて装いを新たにしている．2004年12月にインド洋で発生した津波のような悲惨な自然災害の対策を考える中で，政治家，地球科学者，教師そして旅行業者など多くの人々が，「地球システム」が一般の人にもっと理解されなくてはならないと考えるようになり，そのために行動するようになつた。