野外調査から隕石研究までブライアン·メースン自伝（第7回）

摘要

1962年3月エト·ヘンダーソン（ワケントンのスミソニアン博物館）と私はアリゾナ州立大学であった学会に出席していた。 夕方一杯やっているとき，最近宇宙についての研究が急激に増え，隕石やテクタイトを分けて欲しいという要望が増えてきたこと，数年後にはアポロ計画で月の岩石が実際に人手できる可能性が出てきたことが話題になった。 その結果博物館では，集まる資料よりも出て行く方が多くなっていた。 私たちは隕石採集の遠征に出るべきだということになった。 どこに行ったらいいだろうか？ 考えた末，地質学的に安定した大陸で，気候が乾燥していて砂漠地帯が多いため隕石やテクタイトがあまり変質せずにもとの状態のまま残っでいる可能性の高いオーストラリアがよいのではなも1かということになった。 当時私たちは南極のことは夢にも考えていなかった。いずれにせよオーストラリアの方が少なくとも気候に関する限り，野外調査にはずっと好適だった。 この遠征の目的は3つあった三野外で隕石とテクタイトを探すこと；テクタイトという正体不明な石の成因を明らかにするため，その分布をはっきりさせ，研究すること；当時オーストラリアで4つ知られていた隕石孔を調査すること。 ∷饯厦坠乩硌f会から研究費（確か＄10，000だった）を獲得することに成功した。 そこで四輪駆動のランドローバーを買い込み，余分のガソリンタンクと水タンク，それにキャンプ用品を装備した。またオーストラリア博物館の苦からの友人オリバー·チャーマースに山一一緒に来てもらうことにした。 　 私たちは一緒に4回の大旅行を，した。