探索窓サイズを動きに追随して適応設定する超高速動きベクトル検出アルゴリズムの開発

摘要

2007年10月、動きの変化に追随して探索窓サイズを決定する高速動きベクトル検出(ME)アルゴリズムを開発し、MPEG-2に準拠したソフトウェアエンコーダに実装し、解析結果を報告した。今回、中断法を利用した最終探索をダイアモンド探索に替え、さらにMPEG-2に替えH.264に準拠したソフトウェアエンコーダに実装し、評価した。本アルゴリズムは、まず、対象マクロブロック(M-Blk)の周辺M-Blkの動きの変化に応じて探索窓サイズ、探索停止条件、探索中心位置を決定する。 次に探索中心位置から外側へ向け8方向にサブサンプリングし、処理量を大幅に削減する。 最後にダイアモンド探索で高精度に動きベクトルを検出する。本アルゴリズムをSDTVの各種テスト画像、HDTVの"Riverbed"、"Tractor"に適用し、画質、探索処理量をそれぞれ評価した。その結果、全探索法の画質を維持したまま、探索速度をSDTV画像では全探索法の約132～272倍、HDTV画像では約500倍("Riverbed")、約866倍("Tractor")高速化できた。