超音波による浮遊砂濃度と粒度分布の測定に用いるファインバブルの影響を考慮した線形モデルの評価

摘要

超音波減衰スぺクトル法は水中の微粒子濃度と粒度分布を同時に測定できる手法であり，球磨川·瀬戸石ダムではこの手法を用いた洪水時の土砂輸送量の観測が行われている．洪水時は流水中に土砂だけでなく有機物やファインバブルが含まれる．特に水中のファインバブルは超音波を著しく減衰させるので，土砂濃度や粒度分布を測定するためには，ファインバブルによる影響を適切に評価できるモデルが必要である．本研究では，ファインバブルを含む水中で超音波減衰スぺクトル計による測定実験を行い，ファインバブルによる減衰特性を明らかにする．そして，土砂粒子による減衰をモデル化した線形モデルとファインバブルによる減衰係数のモデルを現地観測データに適用して土砂濃度と粒度分布を測定し，この線形モデルを検証する．