プラントモニタリング処理に船舶機関士の学習モデルを付加した機関管理支援に関する研究

摘要

本研究ではこれら潜在する情報を活用し，船舶機関管理支援の為の人工知能システムとし，『Virtual Ship Engineer』(V.S．E．）の開発を目指している．提案するシステムは，実際の船舶機関士が知識を蓄積して熟達する過程のモデル化により，システム自身が機関士の熟達と同様のプロセスで，知識を蓄積可能な自律学習機能を搭載している．更に，機関士との相互学習機能を搭載することにより，人間ーシステム間の知識共有も図る．なお，人工知能システムの実用化においては，精度水準の向上に加えて，演算結果の収束速度向上，並びに演算処理機器への処理負荷軽減が不可欠な要素となる．そこで本稿では，上述の要素を念頭に置いた上で，ファジィ推論による処理表現や最急降下法によるファジィ推論ルールの自動チューニング手法を基に，V.S．E．が自律学習により経験的知識を蓄積する過程の学習モデルについて提案する．