血液の流れや凝固を扱う血液レオロジー：脳動脈瘤コイル塞栓術の治療メカニズム解明に対する血液レオロジ一の意義

摘要

血液は赤血球をはじめとする固体成分と液体成分(血漿）で構成される懸濁液であり,これらの複数成分の相互作用に起因する血液のレオロジー特性は，循環に関する基礎医学，臨床医学と密接に関連する.血液のレオロジ一特性として，血流のせh断流れに対するみかけの粘性の依存性(非ニュートン性）や，血中成分の生化学反応により生じる凝固（血栓）が広く知られ，この特性は損傷部位の止血や病的血管の治療に重要な役割を持つ一方，脳梗塞やェコノミ一症候群など多数の重篤な合併症をもたらす。