感染制御の面から考える最良の調剤環境とは

摘要

病院における環境整備は感染を制御するうえで極めて 大切な事項である。薬については，注射剤の混合調剤は クリーンベンチで調製することを前提とし，調剤室は清浄度クラスIVの一般清潔区域に分類されており，この基準に適合した空調管理が行われている。また，調剤室は 目に見える埃ゃゴミがなく，床や調剤台などに薬品が付 着していない状態で，薬品が汚染源にならないように清掃し管理する必要がある。注射剤の混合調剤はCDCガ ィドラインでは薬剤部での無菌的混合を推奨している。 日本病院薬剤師会は2003年に「注射薬混合ガイドライ ン」を，日本薬剤師会は2012年に「薬局における無菌 製剤の調製について」をまとめている。このように注射 剤の混合調剤や薬剤部における空調などの環境整備につ いてはガイドラインや指針があるものの，内服薬の調剤 に関する環境の整備について詳細なガイドラインや指針は作成されていない。