アルべカシンのTDM

摘要

ABKは他のアミノ配糖体系抗菌薬同様の作用機序ならびに副作用を有しています。抗MRSA薬のみの適応ですが，ブドウ球菌や緑膿菌を含むグラム陰性菌に抗菌作用を示す薬剤として開発され，緑膿菌に対する抗菌力も有し，混合感染などにおいて良い適応になります。また， 発売当初から中等度耐性株(MIC ：8.0mg/L)が数%認められていましたが，耐性化機構がァセチル化とリン酸化を同時に行うものであり，その分離頻度はその後ほとhど変化していないことが報告されています。近年，バンコマイシンのMRSAに対するMICが上昇し（タリ一プ現象），肺炎などで使用しにくい症例ゃグリコぺプチド系抗MRSA薬に対する副作用を経験した症例などでは有効な選択肢の一つと考えられます。