噴霧·吸入機器 ネブライザー，定量式吸入器など

摘要

噴霧·吸入機器は，われわれ薬剤師にとって最もなじみ深い医療機器の一つであり，また治療に用いられる代表的な医療機器でもある。呼吸器疾患の治療では，ネブライザー，定量噴霧式吸入器（metered dose inhaler；MDI），ドライバウダー式吸入器（dry powder inhaler；DPI）などの定量式吸入器の存在が不可欠である。なぜならば，気管支喘息治療では長期管理薬としてステロイド吸入，慢性閉塞性肺疾患（COPD）では吸入抗コリン剤が治療の基本となっているからである。また，循環器疾患，救急医療においても，ネブライザーの果たす役割は大きく，薬剤師にとって基礎知識として知っておくべき必要性が高いと考える。近年，小型·軽量化され携帯性に優れた吸入器の開発が相次いでいるが，治療効果を高めるためにはデバイス（医療機器）の性能が問われることになる。