平成25年度農業農村工学会学術基金報告 TDRを用いた泥質干潟域底泥の変動量に関する 連続モ二タリング技術の開発

摘要

有明海奥部に形成される広大な泥質干潟には，ムッ ゴロゥゃシチメンソゥなどの希少な生物が生息、分布 しており，その環境の保全は非常に重要である。干潟 域では波や流れに伴う底泥の卷上げや堆積により，潮 汐、季節周期で干潟地形は変動しており，干潟環境の 保全を考える上で，干潟底泥の変動量の把握が必要で ある。しかし，有明海奥部の泥質干潟はきわめて軟弱 な底質で形成されており，通常の測量などによる方法 で，底泥の変動状況を測定することは非常に困難であ る。そこで本研究では，近年土壌学の分野で利用されているTDR (Time Domain Reflectometry ：時間領 域反射法）を用いて，泥質干潟底泥の変動量を連続的 にモニタリングする技術の開発を目指し，現地試料を用いた室内実験により，その妥当性および計測精度に ついて検証を行った。