深部癌の非接触温熱治療を目的とした空胴共振器アプリケー夕の設計·試作（第1報：コンピュー夕シミュレーション手法による温度分布解析）

摘要

癌（悪性腫瘍）は，熱に弱く，42～43°Cの温度で一定時間加温すると，死滅することが医学的に認められている。 近年，癌の持つこの熱的特性に着目し，熱エネルギーせ癌組織に加えることによってその温度を上昇させ治療する温熱治療法（ハイパーサーミア）が注目されている。 特に，電磁エネルギーによって癌組織を加温する方法（電磁波ハイパーサーミア）は，非侵襲的に治療できるため，その治療方法の確立が強く望まれている。 この電磁波ハイパーサーミアは，使用する電磁波の周波数によって，（1）マイクロ波加温方式（数百MHz帯 ?）RF（Radiofrequency）加温方式（十数MHz帯 ─舜髣eされる。 前者は，生体内での電磁波の減衰が大きく，表在性癌の治療にはその威力を発挿しつつあるが，深部癌に対しては，原理的にその効果が期待できない。