深部癌の非接触温熱治療を目的とした空胴共振器アプリケ一夕の設計·試作（第2報：試作加温システムによる寒天ファントムの加温実験）

摘要

著者らは，これまでに深部癌の集中加温を目的としたリエントラント型空胴共振器加温方式を提案しており，試作加温装置による加温実験およびそのコンビュータシミュレーションの両面から本加温方式の有効性を報告してきた。そして前報では，現有の空胴共振器の外径をベースに，被加温体の設置位置および空胴共振器内の内円筒径を変化させることによって，（1）加温領域，および（2）深部方向における加温位置の制御の可能性をコンピュータシミュレーション手法により検討した。 具体的には，有限要素法による電磁界解析および温度分布解析を行い，その結果に基づき，空胴共振器の形状および寸法を決定した。 これらの解析結果から，臨床応用を目指して，ここで設計した空胴共振器を用いれば，人体の頭部および胴体部程度の厚さに対して，深部方向の加温位置およびその加温領域を制御できる可能性のあることを数値的に示した。