眼をはかる;眼圧測定について（非接触眼圧計の発達と最新モデル）

摘要

昨今の健康ブームで病気に関する情報は一股の人々にも多く知られてきているが，ひと昔前は何のために眼圧を測定するか意外に知られていなかった。 眼疾患のひとつである緑内障は眼圧上昇により視野障害を引き起こし，失明にいたる重大な眼疾患であり，眼圧の上昇は緑内障の発症に大きな影響を与える危険因子となっている。 20年ほど前までは緑内障＝眼圧上昇であり，眼圧降下させる治療方法が重要視されていた。 しかし近年，緑内障のメカニズムが解明されつつあり，眼圧因子の他に眼微小循環障害や遺伝因子などの複数の要因によって視神経細胞がアポトーシス（細胞死）する仮説として唱えられている。 また，治療方法も視神経保護という新しい治療概念の研究が始まっている。 しかし，相変わらず眼圧降下治療は緑内障を悪化させない重要な治療方法であり，眼圧測定は緑内障の早期発見及び治療効果の判定には欠かせない検査である。