粘弾性体で支持されたフォイルスラスト空気軸受の動的特性

摘要

こうした背景から著者らは，製作の簡単化および低コスト化，軸受特性予測の容易化のため，粘弾性体によってトップフォイルを支持する軸受構造を提案し，軸回転数20000min~(-1)で最大90N(＝0.05MPa)の静的負荷荷重を支持できることを数値的，実験的に明らかにした．しかし，高速回転するターボ機械は機械振動や流体振動など様々な振動に対する対策が不可欠であり，これらに用いられる軸受の設計にあたっては負荷容量や軸受トルクなどの静的特性だけでなく，動的荷重変化に対する軸受特性（動剛性，減衰係数）が非常に重要である．空気軸受では動的特性を求める際に，軸にインパルス荷重を与え，その自由振動波形から空気膜の動的特性（動剛性，減衰係数）を測定する手法が比較的容易であることから，数多く採用されている．そこで本論文では，著者らが提案したトップフォイルを粘弾性体で支持したフォイルスラスト軸受を対象とし，インパルス荷重に対する動的特性を数値的，実験的に明らかにするとともに，提案するフォイルスラスト軸受の有用性を確認することを目的とする．