製品設計における使い方を考慮した不具合検出の枠組み

摘要

製品設計は.企画担当者や顧客，設計者などによ って設定された要求機能を満たす実体を創出する知 的行為であるととらえられる.抽象概念である要求 機能と，実世界の存在物である実体との関係は必ず しも一定ではなく，実世界における実体と外界との 関係，すなわち，実体の在り方によって変化する. このため，実体が外界から受ける作用，すなわち， 製品の使い方によっては，所期の要求機能が発現し ない，好ましくない別の機能的作用を併発する，と いった不具合が生じうる.近年，産業界において， グローバル市場への製品投入と生産拠点のグローバ ル化が進められ，製品が様々な地域で使われるよう になってきている.これに伴って.設計時に想定さ れなかった環境下で製品が使用されたり，想定外の 使い方がなされたりすることに起因する機能的不具 合の発生が増加することが懸念される.このような 不具合の発生を設計段階で未然に防ぐための計算機 支援方法論の整備が望まれる.