まがりばかさ歯車の歯当たり,伝達誤差と接触応力に及ぼす組立誤差の影響

摘要

前報では．まがりばかさ歯車の諸元設計，精度の高い強度設計や運転性能予測を行うために，歯当たり，伝達誤差，歯元·接触応力に及ぼす各種因子の影響について明らかにしておくことの必要性について述べ．種々のねじれ角のまがりばかさ歯車に対して，組立誤差のない正規の組立状態の下で，各種負荷トルクで運転した場合の歯当たり，伝達誤差と接触応力に及ぼすねじれ角の影響などについて明らかにした．ところで，まがりばかさ歯車の振動·騒音に大きな影響を及ぼすと考えられる歯当たり，伝達誤差や各種応力は，組立誤差によって大きく変わるものと考えられるが，これらについての研究は少ないこのため，製造段階では．設計仕様を満足するために歯形修整や組立調整などを作業者の経験·勘や試行錯誤で行っており，多大な労力を要している．組立誤差が歯当たり，伝達誤差や各種応力に及ぼす影響が明らかになれば，設計段階でこれらを考慮することができ，また組立調整も容易に行うことができるようになるものと考えられる．本報では，前報で用いた歯車と同一諸元の，種々のねじれ角のまがりばかさ歯車に対して，各種組立誤差がある場合の，歯当たり，伝達誤差と接触応力の計算を行い，歯当たりの中心位置と大きさ，伝達誤差および接触応力に及ぼす組立誤差の影響について明らかにしている．