原器からの脱却130年ぶりとなるキログラムの定義改定

摘要

2018年11月16日に開催された第26回国際度量衡総会（CGPM)において、国際キログラム原器（International Prototype of the Kilogram ，IPK)による質量の単位「キログラム」の定義を廃止し、プランク定数にもとづく新しい定義へと移行することがメートル条約加盟国（約60力国）の大多数の賛成で採択された。これと同時に電流の単位「ァンペア」、熱力学温度の単位「ケルビン」、物質量の単位「モル」もそれぞれ電気素量、ボルツマン定数、ァボガドロ定数にもとづく新しい定義へと移行することが決まった。この改定によつて、国際単位系（SI)における全ての基本単位は基礎物理定数などによって定義され、人工物による定義を含まない理想的な単位系へと進化した。