車両にあけるエネルギー蓄積とキャパシタ·バッテリ：燃料電池を適用した鉄道車両のフィージビリティスタディ

摘要

最近，CO{sub}2の排出規制など地球環境問題の話題が多い中，新しいエネルギー発生方法として燃料電池が注目されており，自動車用や家庭用分散型電源として各メーカで急速に開発が進められている．燃料電池は水素と空気中の酸素を反応させ，電気工ネルギーを取り出し，排気は反応に使用しなかった空気と水だけという大変クリーンな電源であり，効率も40～50％程度でディーゼルエンジンより高いと言われている．この燃料電池を鉄道車両に適用することについても新線建設時に電力設備を建設することなく，電車を運行させることができるなどさまざまなメリットが考えられるため，非電化区間を走行するディーゼル気動車の代替を対象とした実現可能性について検討を行った．この結果，燃料電池を適用した車両はディーゼル気動車よりエネルギー効率が高いことなどもわかった．現状では燃料電池はコストが高い，寿命が未確認であるなど，いくつかの課題があるが，これらについても自動車等での開発で近い将来，必ず克服されるであろうと考えられ，その時には鉄道車両への適用がスムーズに行えるように事前に検討しておくことが重要であると考える．