モビリティロボットの公道実証実験－特区制度の利用から全国展開へ

摘要

高齢化が進み，資源の制約と環境への配慮の重要性が高まって，自動車ほど高速ではないが歩くよりは速くて楽で軽便な移動手段が求められている．図1に各種の移動（モビリティ）の手段がカバーできる速度の範囲と移動する人の負担および資源·エネルギー·環境負荷を模式的に示す．本稿では，ロボット技術を適用することにより同図の左下の領域，すなわち中程度の速度以下での移動を，人の負担と資源，環境等の負荷がそれほど大きくない条件で実現できる手段（用具）をモビリティロボット（MR）とよぶことにする．ここで重要なことの一つは，ごく低速の移動と静止も可能なことである．